2016年御翼7月号その4

                                          

霊の賜物を発見するための段階

  

  開拓時代の牛込(独立)教会の週報(1961年1月1日)の信仰短言に父がこう記している。「日本の民主化は神を信ずる信仰から生まれる。その信仰は、聖書を読み、神に祈り、共に礼拝を守ることによって、健全なものとなっていくのである」と。自分一人で信仰を持っていれば大丈夫だと思って教会に行かないでいると、いつの間にかその信仰は自己流となり、自己中心的になってしまう。霊的な存在である神に創造された人間の本質は霊(魂)である。その魂は、神の霊で満たされている場所(教会、信仰共同体)につながっていなければ、平安を得られないし、成長しない。
 事業をする人、神に献身する人も、教会で神を礼拝し、人々と交わることでインスピレーションが与えられる。「エル・シャダイ」の作詞者マイケル・カード氏は、コロンビア・バイブル・カレッジで聖書を教える先生である。一九八三年、「エル・シャダイ」はキリスト教音楽業界で、ソング・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。カード氏はこう語る。「創造性は、よく人々がイメージする、芸術家が苦悩しながら熟考するようなことから生まれるのではない。真の創造性は、神を信じる人々が、神の御声を聞き、また互いの傷や能力を理解するために、互いの言葉に耳を傾ける共同体の中で生まれるのだ」と。教会でこそ、人はキリストと神と、素晴らしい人々と出会い、霊感が与えられ、恵みと祝福とを受けるようになる。

霊の賜物を発見するための段階
 聖書には3つの形の賜物がある。@人から人へ、この場合の賜物は、王や親などが臣下、子らに与える賜物(歴代誌下21・3)、その反対におう王らへの貢物(士師記3・15)、友人間の贈り物(箴言19・6)など種々ある。A神から人へ、「あらゆる良い贈り物、あらゆる完全な賜物は、上から、光の父から下ってくる」(ヤコブ1・17)。神の賜物と呼ばれているものには、正当な働きによって得る楽しみ(コヘレト3・13)、救い(ローマ5・15)、永遠の命(ヨハネ4・10)、聖霊(使徒2・28)等があるが、最大の賜物は神のひとり子キリスト自身である(ヨハネ3・16)。使徒パウロは、〈霊の賜物〉について特別な理解を示している。それは初代教会において神の恵みが具体的に現れたもので、奉仕、教え、施しなどの業、知恵の言葉、知識の言葉、信仰、病をいやす力、力ある業、預言、霊を見分ける力、異言、異言を解く力などである(ローマ12・6〜8)。パウロはこれらが教会全体の徳を高めるように秩序正しく用いられることを説き勧め、そのために〈愛〉をもっともすぐれた道とした(コリント第一12・31)。B人から神へ種々の〈捧げ物〉が〈賜物〉と同じ言葉で呼ばれている。              

「霊的賜物の目的」
  1. 霊的家族である教会に成熟と安定をもたらすために
  2. 私自身のためではなく、他の人たちの益のために
〈霊的賜物リスト〉
「神のことばを伝えるための賜物(伝道)」 
   ・説教(預言) ・伝道 ・宣教 ・教会開拓(使徒)
「神の民を教育するための賜物(霊的成長)」
   ・教え ・励まし ・知恵 ・霊を見分ける力  ・知識
「神の愛を示すための賜物(交わり)」 
     ・奉仕(援助) ・憐れみ(慈善) ・もてなし ・牧会(養育) ・施し(与えること)  
「神の臨在を祝うための賜物(礼拝と祈り)」 
  ・音楽 ・美術工芸 ・とりなし ・いやし ・奇蹟 ・霊の祈り(異言、異言の解き明かし)  
「(前述の)4つの目的を支援する賜物」      
   ・指導(リーダーシップ) ・管理 ・運営(アドミニストレーション) ・信仰   
霊の賜物を発見するための段階
   C・ピーター・ワグナー『教会成長のかぎ』より
  1. 可能性の探究。新約聖書に記されている賜物のリストを読み、学ぶ。そのうちで、自分に選択可能な賜物を知り、その発見の具体的な手だてとする。
  2. 自分の感情を確かめる。一つの賜物を試してみて、楽しんでそれをやっているなら、可能性があるというしるしである。
  3. キリストの体なる教会の確認を受ける。どの霊の賜物でも、自分一人で発見し、育成し、行使するというものではない。あなたが一つの霊の賜物をもっているとするなら、他のクリスチャンたちは、あなたの賜物を認め、それを確かにもっていると証ししてくれるものである。

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